荒川放水路バラバラ死体事件 女教師・宇野冨美子が警察官の夫を殺害
足立区本木町付近には、近所の子供たちが「日の丸プール」と呼ぶ浅い入り江があった。 正式なプールではない。 葦の生える、ただの水辺だった。 昭和二十七年五月十日。 その場所を訪れた少女たちは、水辺に不審な包みがあることに気づいた。 新聞紙などで包まれ、麻ひもで縛られている。かなり大きい。 最初は、犬か猫の死骸ではないか。 そんなものに見えたのかもしれない。 しかし、包みの中から現れたものは、 動物ではなかった。人間だった。
昭和・平成・令和に起きた事件を記録するノンフィクション・アーカイブ
足立区本木町付近には、近所の子供たちが「日の丸プール」と呼ぶ浅い入り江があった。 正式なプールではない。 葦の生える、ただの水辺だった。 昭和二十七年五月十日。 その場所を訪れた少女たちは、水辺に不審な包みがあることに気づいた。 新聞紙などで包まれ、麻ひもで縛られている。かなり大きい。 最初は、犬か猫の死骸ではないか。 そんなものに見えたのかもしれない。 しかし、包みの中から現れたものは、 動物ではなかった。人間だった。
一軒の家に、一つの郵便小包が届けられた。 箱を開ける。 中に入っていたのは一本のウイスキーだった。 当時の地方農村で、ウイスキーは現在ほど日常的な酒ではない。 誰かが贈ってくれた酒。 受け取った側がそう考えたとしても、不自然ではなかった。 ところが、その瓶の中には致死性の毒物が混入されていた。 最初に酒を口にした五十三歳の男性は、まもなく激しい中毒症状に襲われた。