明治9年「毒婦」と呼ばれた女 高橋お伝事件 浅草蔵前片町旅籠殺人事件
明治9年(1876年)、東京・浅草の旅人宿で古着商の男が剃刀で殺害され、金を奪われる事件が発生しました。犯人として逮捕され、斬首刑に処されたのは「高橋でん」という一人の女性です。彼女は生活苦や借金から犯行に及びましたが、その死後、社会やメディアの欲望によって「夫を毒殺した妖婦」という虚像が作られ、後世に「明治の毒婦・高橋お伝」として語り継がれることになりました。本記事では、金銭目的の計画的殺人という事件の実態と、一人の生身の犯罪者がいかにして伝説の「怪物」へと変えられていったのか、その作られた毒婦の実像に迫ります。