推理小説愛読少年の毒ウイスキー殺人事件 19歳の嫉妬が生んだ郵送毒殺
一軒の家に、一つの郵便小包が届けられた。 箱を開ける。 中に入っていたのは一本のウイスキーだった。 当時の地方農村で、ウイスキーは現在ほど日常的な酒ではない。 誰かが贈ってくれた酒。 受け取った側がそう考えたとしても、不自然ではなかった。 ところが、その瓶の中には致死性の毒物が混入されていた。 最初に酒を口にした五十三歳の男性は、まもなく激しい中毒症状に襲われた。
昭和・平成・令和に起きた事件を記録するノンフィクション・アーカイブ
一軒の家に、一つの郵便小包が届けられた。 箱を開ける。 中に入っていたのは一本のウイスキーだった。 当時の地方農村で、ウイスキーは現在ほど日常的な酒ではない。 誰かが贈ってくれた酒。 受け取った側がそう考えたとしても、不自然ではなかった。 ところが、その瓶の中には致死性の毒物が混入されていた。 最初に酒を口にした五十三歳の男性は、まもなく激しい中毒症状に襲われた。
明治三十八年。 長野県の山間にある、小さな村。 その夜、神社では祭りが行われていた。 暗い山々の間に、提灯の灯りが並ぶ。 普段なら静まり返っている村にも、 この日ばかりは人々の笑い声が響いていた。 その人混みの中に、十六歳の少女がいた。 村の酒屋で働いている少女だった。 ところが――。 祭りが終わる頃、 少女の姿が見えなくなった。