脱走囚人による強盗殺人事件 松本刑務所を破った二人と、十八日間の逃走
松本刑務所から二人の受刑者が姿を消した。 一人は、下伊那郡山本村生まれの松本計吉。三十代前半で、前科五犯。 もう一人は、新潟県中頸城郡板倉村生まれの三田村芳雄。二十六歳、前科四犯。 二人はいずれも初犯の若者ではなかった。すでに何度も罪を重ね、刑務所という場所を知っている男たちだった。そんな二人が、刑務所内部の囲いを鋸で突破し、物干しなどに使われていた竹竿を利用して高い外塀を越えたとされている。 この時点では、事件はまだ「脱獄事件」であった。